story3

次の日、学校へ行くと教室の前に人だかりが出来ていた。

女子の黄色い声援が特に聞こえる。その中心にはあの怖い先輩たち。

でも、先輩たちの中に、一人だけ見覚えのない人がいた。

背が高くて、髪は茶色。規定の制服にアレンジを加えて、いい感じに着崩している。

黄色い声援は、その人へ向けられているものだった。

その人と目が合い、私はペコリと頭をさげる。

その人は、ズボンのポケットにてを入れたまま少し早足で私に近づいてきて、

「よ!」

・・・・・と一言。

状況が理解出来ずにいると、

中心にいた怖い先輩たちの中で2年生の永浦 卓(通称 卓)って人が来て、見覚えのない人の方に手を回しながら

「にしても・・・普通そこまでするか?彰、あの金髪、超気に入ってて『ゼッテー変えね〜』とか言ってなかったっけ??」

って言った。

彰??

植野 彰!?

「あ・・・・・彰先輩!?」

それまでは先輩だけだったのに、つい彰先輩って呼んでた。

「そうだよ!俺、彰っ」

「気づかれてないし(笑)皆すぐ気づいたのに気がつかれねーって・・・お前ホントに嫌われてんじゃねーの??」

「うっせー卓!」

全然、彰先輩だなんて思わなかった。

前と、すごく変わってたから。

規定の制服なんて着てきたとこ見たことないし、

髪だって完全な金髪でしかもセットしてたのに、茶色でなんかすっきりって言うか、自然な感じ。

前とは、、、

「真逆だ・・・・・。」

「「え?」」

しまったっ!思ってたこと口に出しちゃった

こうなったら話すしかないよ!

「前と・・・ずいぶん印象が変わりましたね!気がつきませんでした。」

「うん。おれも染め終わった時びっくりした。」

「は?俺のがびくったし。昨日付き合い悪かったのはこれかぁ・・・」

「わりー。埋め合わせすっから」

そう言って笑ってる彰先輩を見てると、なんだか安心した。

昨日までは近くにただいるだけとかでも怖かったのに、全然怖くなんてなくて、よく分からないけど、涙が出た。

彰先輩はまた、昨日のように袖で涙を拭ってくれて

「お前ほんっと泣き虫だな。」

ってこんどは私に向かって笑ってくれた。

「泣き虫じゃないです!」

って言ったけど、私は本当に泣き虫だって心の中で思ってた。





私は、泣き虫って言われるのがちっちゃいころからなぜか嫌で、あまり人の前で涙を見せない人だったのに

なんで彰先輩の前ではないちゃうんだろ?

『泣き虫』

彰先輩になら、言われてもいいような気がした。


04/28 15:29

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