story2

屋上は、入ってきた扉以外に逃げ道もないし、隠れることも出来ない。

気がつくのが遅かったっ(泣)

「やっと追いついた。」

少しずつ先輩が近づいてくる。

ガシャン・・・

私の後ろにはフェンス、前には先輩、横は壁!

完全に追い込まれてしまった。

「な・・・何なんですか?毎日・・・なんで追いかけてくるんですか!」

私、完全に声震えてる。

「何って・・・・・お前が逃げるから追いかけるんだろ!」

怒鳴られた〜(泣)

先輩怒ってる?・・・怒ってるよね。

そうだよ。私が逃げるから・・・・・?

「追いかけるから・・・・・逃げてるんじゃないですか・・・」

私のバカ!何言っちゃってんの!?

怖さのあまり、私の目からは涙が溢れる。

膝が笑って、私はその場に座り込んで泣いてしまった。

先輩がは今きっと、怒りながらこれくらいで泣く私に呆れている。

「おい・・・」

上から聞こえる先輩の声。

私は怖くて顔を上げることが出来なかった。

・・・フワッ・・・

優しく、少し震えている手が私の頭を撫でた。

その事にびっくりして、顔を上げると

いつもは怖い先輩が、優しく私の頭を撫で、

心配そうに困りも混ざった表情で、私を見ていた。

「ほら・・・・・泣くな?」

先輩は袖で私の涙を拭って、そして優しく笑いかけながら、

「そんなに怖がらなくていいから。」

って言ってくれた。

ずっと怖いって思っていたのに、ちゃんと先輩と接してみると、イメージと全然違った。

「つーか逃げんじゃねーよ!お前足はえーし・・・・・」

そうやって、拗ねたように言っている先輩は、なんだか可愛かった。

そのときには、全然怖いなんて感じていなかった。

「俺・・・・・怖かった?」

「・・・・・少し。でも!今は怖くないですよ?」

「そっかぁ。どんなところ?」

「え?」

「どんなとこが怖かった?正直に言ってくれていいからさ」

「金髪と、いつも追いかけてくる所・・・。」

ホントに正直に言っちゃった・・・

「そっか・・・・・」

そう言って先輩は少し頭を抱え、

「わかった。ありがと」

そう素っ気なく言い残し、どこかへ言ってしまった。

その日は一日、先輩に会うことはなかった。

いつも気がつけば追いかけられていたのに、いきなり追いかけられない時間を過ごしてたらなんだか物足りなくて少し寂しい気もした。

家に帰っても、何でか先輩が気になって、明日は会えるのかな?・・・なんて考えちゃってた。

でもそれは気づけば追いかけられてたのに今日は1回だけだったから・・・追いかけられることに慣れていたから、違和感があるだけなんだ。

ただ、それだけ。





そのときの私は、そう思っていた。


04/28 14:29

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